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梅崎由起子の藍染めの日々

梅崎由起子の活動をお知らせするページ


by umezakiyukiko

日々

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先日、藍師の村井さんから藍が送られてきました♪
いつも、藍と共に播磨藍便りという読み物をつけて下さいます。
こちらも、1年に1度のお楽しみです。

今日はここに書かれていた

「藍作の行方3」 をご紹介したいと思います。

以前にも書きましたが、スクモが足りません。平成22年度の播磨藍便り③を書いている時には。染色人口の減少と作付の減少は同じようであった、またはやや生産過剰であったと記憶しています。そしあくまでも推測ですが阿波藍が約800~1000俵、伊達藍が360~400俵、播磨藍が50俵と記述しています。そしてついに2年前(平成25年)にはまだ在庫をかかえた藍屋さんが数件ありました。しかし本当に蔵からなくなったのは昨年(平成26年)です。正確な数字はわかりませんが現在の生産量は、阿波藍、伊達藍、播磨藍合わせて1000俵くらいではないかと思われます。
 藍染めをする人の数が増えているようにも思いません、藍の製品が飛ぶように売れているというようにも思いません。昨年から更に多くの注文をもらうようになりました。播磨藍では毎年買ってくださる方にお譲りするのでさえおぼつかない状態です。スクモが売れるという事は本当にありがたく嬉しい事です。しかしお断りするのもそれにも増して辛い事だと感じました。
 増産する余地はないのか、どうしてできないのか?と電話の向こうから怒りにも似た嘆きが伝わってきます。需要があるんだから、もう少し作ったらいいじゃないかというのがもっともなご意見です。じゃあ、それができないのはなぜか?それは私達家族が作れる限界だからです。
 それでも播磨藍は平成26年度頑張って作付面積を増やしました。しかし虫の食害などにより思うように生産量を増やせませんでした。逆に増やしたことで家族が過労で倒れてしまうという辛い思いをしました。増産すれば必ず品質が下がるとは思わないですが、私達は上手く立ち振舞えるほどの器量はないようですし、何より家族あっての藍作です。ある時妻にこう言いました「今が播磨藍を大きくする機会かもしれんなぁ、でも残念やけど俺にはその才覚はないわ」
 それでが具体的にどの作業が、藍の生産性を阻んでいるのか?それは除草、施肥、潅水、刈り取り、粉成し、中でも「乾燥」こそが最も手間のかかる作業なのです。早朝より粉成した葉藍を干し場に持って行き、薄く広げて天日で乾燥させていきます。干し場の面積はテニスコート3面くらいあるでしょうか。7時くらいに干しても実際に太陽の威力が出始めるのが9時を回る頃からで。まずは1回目の反転作業。箒で表裏がひっくり返るようにし混ぜ返して行きます。一回の反転作業に2人で30分近くかかります。そのあと、10時半、11時半、12時半、1時過ぎ、2時過ぎ、3時過ぎと計約6回~7回ひっくり返す作業をします。夕方、湿気が戻らないうちに掃き集めます。その間に刈り取り、粉成し、除草、施肥などの作業を並行して行います。もちろん天気の悪い日などは乾燥器を使いますが、これはなかなか乾きません、燃料費ばかりがかかり、また乾燥して仕上がった色艶もあまりよろしくないように感じます。雲間から太陽が顔を出せば、わずかな時間でも日にあてるようにしています。
 このように原始的に見える乾燥法も、色の観点からすれば決して無駄な作業ではないように見えます。それどころか、最も重要な工程と捉えるべきだと最近感じるようになりました。無駄に見えること、もっとも合理的にやればできる事、私には意味があるように思えてなりません。それは根拠のないとらわらかもしれません。でも良いものができないうちは、先人のまねをしてその真偽を確かめなくてはと思います。その道のりは果てしなく遠いように思います。

全文です。

う~むとっても面白い!

その道のりは果てしなく遠い。
それがどういう事なのか、わかっていてもやらずにはいられない。
ホントに凄い!
そして、かっこいい!
by umezakiyukiko | 2015-02-28 18:42 | 日々の事、藍の事